クーリングオフ・中途解約Q&A

ここでは、これまで当事務所によせられた質問の中から、比較的多い質問をアレンジして記載しましたので、参考にしてみてください。

Q.どんな契約(取引)でも、クーリングオフをすることができますか?


A.残念ながらおよそ世の中にある全ての契約(取引)がクーリングオフの対象となるわけではありません。

特定商取引法に規定されている取引や宅地建物取引業法、特定商品預託取引法、有価証券投資顧問業法、商品投資事業規制法、不動産特定共同事業法、海外商品先物取引受託法、ゴルフ等会員権契約適正化法、特定債権事業規制法などに規定されている契約(取引)が対象となります。

また、生命保険契約や損害保険契約、冠婚葬祭互助会契約などもクーリングオフをすることができます。

Q.エステティックサロン業者に対して、クーリングオフを行使する旨を口頭で伝えましたが、「口頭で大丈夫です。書面はいりません。」と言われました。クーリングオフの書面を出した方がいいでしょうか?


A.まず、クーリングオフの行使について、「書面により」とありますが、「口頭でのクーリングオフを認めた」裁判例もあるようです。

しかし、クーリングオフの効果は、書面を発信すれば生じるのですから、口頭でのクーリングオフにより業者とトラブルとなって、後々、裁判手続きとなるよりは、書面を出して確実にクーリングオフをした方が経済的にもいいかと思います。

無用なトラブルは避けるべきです。

Q.家族が訪問販売で「布団」を購入してしまいました。解約をしたいと考えていますが、今日が契約日からちょうど8日目です。クーリングオフは可能でしょうか?


A.可能です。

クーリングオフの効果は、書面を発信したときに生じますので、クーリングオフの通知が最終日以降(ここでは8日目)に相手業者に到達しても、最終日に発信すればいいのです。

Q.クーリングオフの行使を考えていますが、普通郵便よりも内容証明郵便を利用した方がいいでしょうか?


A.内容証明を活用してクーリングオフすることを推奨します。

「内容証明」は、第三者である郵便局が、通知の内容を証明して、通知を送付した日付を明確にしてくれるというものです。

内容証明は、確実な証拠となりますので、無用なトラブルを避け、確実にクーリングオフをするという意味でも推奨します。相手が悪質な業者であれば、なおさらです。

Q.エステティックサロンの契約書に「キャンセル料2万円が発生する」と記載されています。クーリングオフをしたいのですが、キャンセル料を支払わなければいけませんか?


A.クーリングオフをした場合、相手業者が「キャンセル料」を請求することはできませんので、支払わないで下さい。

特定商取引法に「損害賠償又は違約金の支払を請求することができない」と定められているのですから、支払う必要はありません。

Q.クーリングオフしたのですが、業者から書類や商品の送付にかかった費用を請求されています。これは支払をしなければなりませんか?


A.クーリングオフをした場合、相手業者は、送付費用等、名称の如何を問わず、消費者に対して請求をすることはできません。

よって商品の返還にかかる費用も、相手業者の負担となりますので、支払う必要はありません。

Q.クーリングオフをしたいのですが、家族に内緒で購入した商品なので、家族に知られたくありません。家族に内緒でクーリングオフをすることはできますか?


A.可能です。

クーリングオフの書面は、相手業者に送達されますので、当事務所から積極的にご家族の方に内容を知らせるようなことはありません。

Q.申込み時と契約時に、業者から契約に関する書面の交付を受けていません。 クーリングオフ期間が過ぎていますが、クーリングオフをすることはできますか?


A.クーリングオフすることができます。

業者が特定商取引法に定める書面を交付していない場合、クーリングオフ期間が進行しませんので、クーリングオフをすることができます。

しかし、中には「確認書」なる書面を消費者からとり、そこに「法定書面を受領した旨」を記載しているケースがあり、書面の交付を争ってくる業者もあります。

このようにクーリングオフ通知を発送した後、業者が書面の交付を争ってきた場合には、140万以内であれば当事務所で対応できます。この点、行政書士さんでは職務の範囲を越えてしまいます(行政書士さんは争いに直接介入することはできません。)

Q.エステティックサロンの中途解約を考えていますが、電話連絡でも中途解約をすることは可能でしょうか?


A.中途解約の方法は、法律上では、「書面により」となっていますので、書面による方法で契約の相手方に中途解約をする旨を伝えるほうが間違いないでしょう。

Q.エステティックサロンの役務提供契約を締結しましたが、契約時に聞かされた契約金額の総額よりも、契約締結後に契約書に記載されていた金額が、大幅に多くなっており、話が違います。これを理由に契約を解除することはできるのでしょうか?


A.契約時に聞いていた契約金額と実際の契約金額が違うと言うことは、業者が契約の重要事項について、「不実のことを告げる行為(不実の告知)」をしたことになります。

この場合、消費者は契約の相手方に対して、「特定商取引法に定める意思表示の取消権」を行使することができる可能性がありますので、一度、専門家に相談をされると良いでしょう。

Q.訪問販売で、庭石8個と灯篭1個を購入させられてしまいました。契約日は、昨日ですが、庭石や灯篭の売買契約は、クーリングオフすることができるのでしょうか?


A.庭石や灯篭は、クーリングオフの対象商品ですので、クーリングオフをすることは可能です。